増築工事をする際の注意点

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家族構成が変わったり、間取りの使い勝手の悪い部屋だったり住んでいると、増築リフォームを考えることがあります。しかし単純に部屋を増やせばいいと思われがちな増築リフォームも、後々後悔するような事例が起きやすいので注意が必要です。

増築工事をする際の注意点について見ていきましょう。

増築すると古い規格の建物でも最新の建築基準法が適用される

建物を建てた年代によって、エレベーターの設置や耐震基準などその時々の建築基準法の内容は変わっています。よくあるのが、古いマンションなどでは4階以上の建物でもエレベーターが設置されていない建物もありますが、今の建築基準法では4階以上の建物ではエレベーターを設置することが明記されています。

今の法律に照らし合わせれば、4階以上の建物でエレベーターがない物件は違法になってしまいますが、建物を建てた時点での法律で明記されていなかったのでこの建物は違法建築にはならなくなります。

しかし、増築などの家の改装工事を行う場合は、手を加えない古い建物の部分であっても増築部分だけでなく既存の建物までが新しい建築基準法にあてはめたものにしなくてはいけません。

つまり、単純に増築をしようと考えていても今の法律の条件を満たせない家に関しては、増築工事後建築基準法に引っかかってしまうので、基礎から工事を行いなおすか増築そのものができないということになってしまいます。

今の建築基準法に満たない家を増築するときの緩和措置

それでもどうしても増築をしたいという人はたくさんいます。増築をする分くらいであれば資金はどうにかなるけれども、全改修をする費用がない、新しく家を建て直す費用がないという人は増築をあきらめなくてはいけないのでしょうか。

原則として、今の建築基準法に満たない家での増築はできないようになっていますが、緩和措置という方法は用意されています。

緩和措置その1:建物をつながない場合

今の建築基準法に満たない家に増築を行う場合で、増築部分を完全に独立した建物として建てた場合は増築部分だけが今の建築基準法を満たしていればいいという緩和措置があります。

この場合、家の中同士でつないでしまうことができないので、増築部分に行く時には必ず外を通らなくてはなりません。使用上は不便ですが、母屋と離れのようなものであれば増築ができるという方法になります。

緩和措置その2:増築部分の面積が小さい場合

増 築部分の床面積が、もともとの建物の面積の 20 分の1以下で 50 ㎡以下の場合は、増築だけが今の建物基準法に適していれば増築できるというものです。しかし、この場合はもともとの建物の構造上の危険度が増さないという証明を出す必要があり、それが証明できないと増築はできません。

増築するにあたって注意すべき法律

リフォーム会社などではこう言った増築に関しての法律をしっかり把握したうえで増築に対してのアドバイスをしてくれるので、実際に増築を行う方が法律などを細かく心配する必要はほとんどないと思います。

しかし、それでも自分の家の事。ある程度はどういった法律が増築をするときに注意すべきなのか知っておくほうが業者とのやり取りもスムーズになります。 主な法律的な制約には以下のようなものがあります。

  • 用途地域:建てられる建物の種類や規模を規定したもの。
  • 防火地域:耐火建築物、準耐火建築物に適合したもの。
  • 建ぺい率:地域ごとによって定められた敷地面積に対する建築面積の割合。
  • 容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合。
  • 道路幅員制度:隣接する道路が4m未満の場合は中心線から2m の位置が敷地境界線とな るということ。
  • 高さ制限:用途地域により建物の高さは 10mもしくは 12m以下の高さにすること
  • 道路斜線制限:前面道路の幅員により建物の高さに制限でること

増築をする際でも新築を立てるのと同じように慎重に考えること

部屋を増やすだけと簡単に考えがちな増築ですが、どんな工事であっても家に手を加えるということは家の構造を変えてしまうということです。今の形でバランスの取れている家でも、何かが変わったことでバランスを崩してしまったり脆弱になってしまったりしては 家そのものが危険にさらされてしまいます。

そういった事態を防ぐために、国は細かく様々な法律を制定し、安全かつ安心して住める家を守っています。そういうふうに考えれば増築もただ単に部屋を増やすだけという考え方とはまた変わってきますよね。増築をする際であっても新築を立てるのと同じくらい真剣にリフォーム業者さんへ相談し、 納得のいく状態で工事を進めていくことが非常に重要となります。